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奏。-かなで-

金色のコルダ二次創作サイト

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2008.09.13 Saturday 18:45 金澤×香穂子

相談

金澤×香穂子
ほのぼの…?

猫に悩み相談。

※コルダ無印「猫と逃亡」ネタバレになります。
ご注意ください。




花の咲き乱れる森の広場。
放課後にもなればそこは最も生徒の集まる憩いの場となる。
それは生徒だけではなく、教師にとっても。

「お~ウメさん。元気か~。」

星奏学院の音楽教師、金澤紘人は仕事をサボりに…ではなく、
本人いわく広場の巡回に来ていた。

「にゃぁ~」
「ああ、やっぱり?俺もう疲れちゃってさ~。」

広場に居座る猫を見つけ抱き上げると、
まるで言葉が通じるかのように語りかけ、芝生にどすっと腰を下ろす。
…これが、金澤の言う巡回、である。

「聞いてくれよ、ウメ。」

金澤は周りに生徒がいないことを確かめると、少し嬉しそうな顔をして語りかけた。

「日野のやつがさ…。」


金澤が一通り話したいことを話すと、その感想を言うかのように“ウメ”は喉を鳴らした。

「…でもさぁ、やっぱ、まずいよなぁ。」

そういうと金澤は真剣な顔をしてウメさんの目を見つめた。

「おれ、教師なんだよ。まずいと思うだろ?」
「にゃあ。」

まずい。
金澤が言っているのは、自分の気持ちの事。

「いくらあれでも、あいつは生徒で、おれは教師なんだもんなぁ…。」

金澤は、ある生徒に、教師として抱いてはいけない感情を抱いてしまっている。

「にゃぁあ」
「…言え、ってか?」

金澤は少し間を置くと、ため息をついていった。

「普通言えねぇだろ、みっともねぇし。」

そして自分に言い聞かせるかのように、こう続けた。

「言えるわけないよなあ。やっぱ教師だしさ。」

「なあ、ウメよう。」
ウメに同意を求めるように語り掛ける。

「だいたい、俺、倍くらい生きてるしなあ。倍っつったらあれよ、ほれ。」

金澤はため息と共にその生徒から見た自分の年齢の代名詞を口にした。

「…じじいだよな~。
 俺もあの年齢の頃は、今の俺の年齢くらいになるとじじいだと思ってたし。」

金澤は抱き上げていたウメを膝に下ろし、喉をかいてやりながらどこか遠くを見て、独り言のようにいった。

「あ~あ、とち狂ってるよ、絶対。こんなのおかしいって。」

自分を納得させるかのように。

しばらく遠くを見ていたが、再び猫を抱き上げると、金澤はまた語りかけた。

「で、どうよ、お前さん。
 やっぱり俺、教師として接するべきだよな?」

同意してくれ、と言っているかのような瞳で、ウメを見つめる。

「ふな~。」

明らかに不服そうな声。
その声に、金澤はどうするべきなのか、わからなくなりかけた。

「なんだよ、不満か?」

言うべきではないと、金澤は思っていた。
しかし気持ちが抑えられないのも本当。
金澤は自分の判断は正しいのだと、誰かに言ってもらいたかったのだ。

「…じゃあ、何か?」

どうするべきなのだろう。
教師として、男として。

「…俺に言ってしまえって?」
「……」

ウメの返答を待つ金澤。
YESかNOか。
金澤は自分自身、どちらの返答を期待しているのか、わからなかった。

「……」

少し経っても、何も言わないウメ。

「……」

いつまでたっても何も言わないウメに、金澤はとうとう痺れを切らした。

「なんだよ、何か言えよ。」
「…」
「言わないと、ゆするぞ。」

金澤がそういうと、ウメは金澤の手の中で暴れ、逃げてしまった。

「あ、おい!」

その後を追い、金澤は走り出した。


一通り思い当たる場所を探したものの、ウメは見つからない。
そのかわり、見慣れた、他の生徒よりひとしお愛しい1人の少女を見つけてしまった。

(これがウメの答え…と思うのは、ちょっとロマンティストすぎるか?)

「よお、日野。」

気がつくと、金澤はその少女に声をかけていた。

「あ、金澤先生。」
その少女は、金澤に気がつくとぱっと嬉しそうな顔をして、駆け寄ってきた。

「猫、見なかったか?」
「猫、ですか?見てないですけど…?」

「あいつ、俺が真面目に相談してるのに、途中で逃げやがった。」
金澤が真面目にそういうと、日野はクスクスと笑い出した。
「本当、仲いいですよねー、先生と猫さん。」

本当に楽しそうに笑う日野をみて、思わず金澤の口元が緩む。

「見てないなら、いいんだ。」
「そうですか?」

金澤が立ち去ろうとすると、日野は何かを思い出したように金澤を引きとめた。

「さっき、音楽科の人たちが先生を探してましたよ。多分、まだ探してると思います。」
にこにこと日野が話す。
「そういや、昼休みに楽譜が見たいとか言ってるやつらがいたな…。」
すっかり忘れていた、と金澤が呟く。
「早く行ってあげてくださいね。楽譜がないと何も出来ないんだから。」
日野が少し心配そうに、上目遣いで金澤を見る。
その瞳を見ているとどうにかなってしまいそうで、金澤はさりげなく目を反らした。
「ああ。わかってる。ありがとな。」
「いえ。大したことはしてません。」
得意げに笑う日野に金澤は目を細めながら、その生徒達を探すことにする。
「じゃあな、日野。練習頑張れよ。」

その言葉に、日野は嬉しそうな顔で、はい!と答えた。





+++
このイベント萌え過ぎると思います…(*゚ω゚*)!!!

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